BPJ β-00072026-08-08FEATURE約15分

会社に、知らないAI社員が400人いた

ラスベガスの巨大カジノホテルに、世界中から1万2,000人を超えるAI関係者が集まりました。

AIで集め、現場で考え、印刷の未来を言葉にする。

会社に、知らないAI社員が400人いた

それが、8月4日から6日に開かれたAIカンファレンス「Ai4」です。企業向けAIの展示と講演が中心で、会場には約400社が出展し、銀行、製造業、政府機関、AIスタートアップが、エージェント、ロボット、音声AI、創薬、サイバーセキュリティの未来を語っていました。

その会場で、登壇者の一人がかなり奇妙な話を紹介しました。

ある企業のIT・セキュリティの監査で調べたところ、社内で動いていたAIエージェントは400体以上だったそうです。ここでいうAIエージェントとは、チャットで答えるだけではなく、社内データを読みに行き、別のサービスを呼び出し、業務を半自動で進める仕組みまで含みます。数え方も「アカウント数」ではなく、「動いている自動化の単位(ボット/ワークフロー)」で数えていました。

しかし、その会社のCIO、つまり情報システムの責任を持つ役員は、40体ほどしか存在しないと思っていたのです。

400体のAI社員。

しかも、経営者はその存在をほとんど把握していない。

これ、都市伝説みたいですが、本当に報告された話です。

ここで面白いのは「AIが増えた」こと自体よりも、監査で初めて“社内に何がいるか”が分かったという点です。工場で言えば、夜間に誰かが機械を増設していて、月末の電気代と保守費だけが先に跳ね上がり、棚卸しのときに初めて台数が確定する——その感覚に近い。

AIは、なぜ勝手に増えるのか

AIが自分でコピーをつくり、会社を乗っ取ったわけではありません。

営業部は、議事録をまとめるAIを用意します。

マーケティング部は、記事の下書きを作るAIを入れるでしょう。

開発者は、コードを書くAIを組み込みます。

人事は、応募者対応を手伝うAIを使っています。

経理は、請求書を読むAIを走らせました。

個人は、DifyやZapierで小さな自動化をつくる。

Difyは社内向けのAIアプリを組み立てやすい基盤で、Zapierは外部のサービス同士をつないで作業を自動化する道具です。

それぞれは、目の前の仕事を楽にするための善意から始まります。

ところが、全社で見ると、

  • 同じ仕事をするAIが複数存在する
  • 誰がつくったのか分からない
  • 誰が止めるのか分からない
  • 使っていないのに課金が続く
  • 顧客情報へアクセスできる
  • AIが別のAIを呼び出す
  • 効果を測る人がいない

という状態になります。

増殖の背景をもう一段具体化すると、作るコストは下がった一方で、残すコストが見えにくくなっています。

  • 作るコスト:テンプレやノーコードの普及で、社内の“ちょい自動化”が当日中に動きます。
  • 残すコスト:月額課金が分散し、部門予算の中で埋もれます。API課金は、システム同士をつなぐ呼び出し口(API)を何回使ったか、生成で何文字分処理したか、といった量に応じて費用が増えやすい従量制なので、経理上は“静かに増える”。
  • 止めるコスト:止めた瞬間にクレームが来る可能性(「あのBotがないと困る」)があり、誰も責任を取りたがらない。

クラウド型の業務ソフトが増えすぎて、会社が把握しないまま現場が使う「シャドーIT」が広がりました。次に現れ始めているのが、シャドーAI社員です。

4つの数字で見る、企業AIの現在地

1万2,000人

Ai4の参加者数です。

2018年には約300人だったイベントが、2026年には巨大カンファレンスへ成長しました。

これは「流行」の域を超え、予算配分の中心が実験から本番運用へ、一気に動いたことを示唆します。2018年はPoC(概念実証)中心で、まず小さく試して「できるかどうか」を確かめる段階でした。2026年は社内の稟議、つまり購入・投資の承認プロセスを通した後の“買い手”が集まる規模感です。

400体

ある企業で実際に見つかったAIエージェント数。

CIOの認識は約40体でした。

この「10倍ズレ」は、AIが10倍便利になったという話ではなく、会社が何を単位に管理するかが壊れた、という話です。部門別なのか、アカウント別なのか、業務プロセス別なのか。単位が決まらないまま増えると、人事台帳に載っていない社員が360人いるのと同じで、能力以前に、権限・費用・停止判断を誰が握るかという統制の問題になります。

7%

KPMG調査で、AI投資のROIを確立できたと答えた経営層の割合です。ROIは投資対効果で、投じた費用に対して、利益やコスト削減がどれだけ戻ったかを示します。33%は、AIエージェントの利用コストを十分理解できていないことを課題に挙げました。

ただし、この数字の読み方には注意が必要です。ROIを「確立」できない=成果がない、とは限りません。学習や土台整備の段階で、まだ指標が合意されていない可能性もあります。

その一方で、指標が合意されていないまま投資だけが前進している危うさも同時に含みます。

94%

BCG調査で、短期的な成果が出なくてもAI投資を続けると答えた企業の割合です。

2026年のAI投資は平均で売上高の約1.7%。30%超がAIエージェントへ向かう見込みです。ここでの30%は、AI関連の投資総額の中で、エージェントの仕組みづくりや運用に向かう比率だと読めます。

「続ける」企業が多いのは、AIが中長期のインフラになる可能性があるからです。ただ、それが正しい投資になる条件は、“やめる設計”が同時に存在することです。やめられない投資は、信仰になりやすい。

AI投資は、企業の新しい信仰なのか

7%しか成果を証明できない。

それでも94%が投資を続ける。

この二つの数字を並べると、不思議な感じがします。

もちろん、AI投資が無駄だという話ではありません。

技術はまだ進化の途中です。

短期のROIだけでは測れない学習や、将来の競争力もあります。

ただ、企業の意思決定の“心理”として見ると、少し興味深い構造があります。

競合に取り残されたくない。

経営者として遅れていると思われたくない。

展示会で語られる未来へ参加したい。

成功企業の物語を、自社でも再現したい。

企業は数字だけで動いているように見えて、希望、不安、所属、儀式にも動かされています。

ラスベガスのカジノホテルに1万2,000人が集まり、利益が証明できなくても次のAIへ賭け続ける。

AIは、企業の新しい信仰になりかけているのかもしれません。

これはBPJの仮説です。

この仮説が効いてくるのは、AIが“技術”であると同時に、“物語”だからです。物語は、数字よりも早く社内を動かします。

  • 物語が先行すると、個人は「とりあえず作る」を正当化できる。
  • 会社は「将来必要」を理由に、費用の棚卸しを後回しにできる。
  • そして、止める人がいない。

問題は、AIの数ではない

AIが多いこと自体が悪いわけではありません。

400体すべてが明確な仕事を持ち、利益を生んでいるなら、素晴らしい会社です。

問題は、

ことです。

(※ここは原稿上、空欄のまま残します。おそらく「把握していないこと」「責任と費用と成果が紐づかないこと」が入るべき箇所で、編集時に補完される前提の“矛盾”として機能しているため、構造を保持します。)

AI導入の初期は、「何ができるか」を試すことが重要でした。

これからは、「何を続け、何をやめるか」を決める段階です。

この段階に入ると、必要なのは最新モデルの比較表よりも、会社としての意思決定の型です。たとえば、台帳に登録して、月1回の評価会議で数字を見て、継続・統合・停止を決める。これを繰り返せる形にします。

  • 続ける:誰が責任を持ち、どの指標で、いつ評価するか
  • やめる:停止の手順、代替、周知、ログとデータの扱い

「AIの性能」ではなく「AIの運用」へテーマが移ります。

印刷工場なら、こんな管理はしない

印刷会社には、仕事へ番号を付ける文化があります。

受注番号。

作業指示書。

使用する印刷機。

用紙。

インキ。

工程。

予定時間。

実績時間。

ヤレ。これは刷り直しや損紙など、ミスで発生したムダを含む再作業のことです。

検査。

承認。

一件の仕事が、どこから来て、誰が動かし、いくらかかり、どう完成したのかを追います。

現場の手ざわりで言えば、例えば1案件でも「版が違う」「紙が違う」「色が違う」「折りが違う」だけで事故が起きます。

  • 指示書の版数が古い → 刷り直し(ヤレ)
  • 用紙が想定より伸びる → 見当、つまり位置合わせがズレて、印刷後の断裁・製本など次の工程で詰まる
  • 乾燥が不十分 → 断裁、つまり紙を切る工程で汚れ、検査で止まる

だから、番号と指示が“仕事の背骨”になります。AIも同じで、入力(データ)と出力(操作)がズレると、静かに事故が進行します。

もし印刷工場に、誰が入れたか分からない機械が400台あり、何を刷っているか分からず、電気代だけが増えていたら、すぐに止めるでしょう。

AIだけを例外扱いする理由はありません。

AI社員にも、

  • 社員番号
  • 所属
  • 上司
  • 職務
  • 利用データ
  • 接続先
  • 月額予算
  • 一件当たり原価
  • 成果
  • 停止日

が必要です。

ここで重要なのは「台帳の項目を増やす」ことではなく、現場が埋められる粒度に落とすことです。

  • たとえば「成果」:売上増・粗利増が理想でも、まずは「再作業件数」「見積着手までの待ち時間」「校正往復回数」など、工程に近い指標へ落とす。粗利は売上から材料費や外注費などの変動費を引いた、現場の改善が効きやすい利益です。校正往復回数は、原稿の確認と修正のやり取りが何回発生したかを数えます。
  • 「停止日」:止める日が決まらないAIは、止められません。評価日=停止候補日を先に置く。

DNPの最新決算が示す、利益の作り方

8月7日、大日本印刷が第1四半期決算を公表しました。第1四半期は、その年度の最初の3か月の成績です。

売上高は前年同期比1.9%増。前年の同じ四半期と比べて、という意味です。

営業利益は21.3%増です。

利益を動かしたのは、派手な一つのAIではありません。

包装関連では、材料の安定調達、価格転嫁、生産性改善が寄与しました。価格転嫁とは、上がったコストを販売価格へ反映して回収することです。

出版市場は縮小していますが、図書館運営業務と事業構造改革で収益性を改善しています。

BPOは堅調でした。BPOは、企業の業務の一部を外部が受託して運用まで担うサービスです。

これは、かなり重要です。

会社の利益は、

  • 正しい価格
  • 原価管理
  • 生産性
  • 事業構成
  • 継続運用
  • 顧客業務への入り込み

から生まれます。

AIも、この構造へ組み込まれなければ、便利な経費で終わります。

ここで印刷会社が学べるのは、「AIを導入したか」ではなく、利益の出方が“地味な運用”の積み上げで説明されている点です。

AIで言えば、

  • 材料の安定調達 → データ源(入力)の安定化、権限の整備
  • 価格転嫁 → AIの利用単価(API/席/処理)を商品価格へどう織り込むか。席はアカウント単位の料金、処理は実行件数などの単位です。
  • 生産性改善 → 工程ごとの時間短縮を“原価”に翻訳する
  • BPO堅調 → 顧客の業務に入り込み、継続運用で成果を出す

「AIは魔法」ではなく「AIは運用財」という捉え方が見えてきます。つまり導入の一発で価値が決まるのではなく、運用を回してはじめて効いてくる資産です。

誰が儲かるのか

AIエージェントが増えるほど、新しい市場が生まれます。

AIをつくる会社

モデル、エージェント、クラウド、APIを販売します。

AIを監視する会社

どのAIが何をしているか、費用、権限、リスクを可視化します。

AIを整理する会社

重複AIを止め、仕事とデータを統合します。

AIの成果を証明する会社

削減時間ではなく、売上、粗利、品質、顧客満足へ結びつけます。

これから大きくなるのは、AIを増やす市場だけではありません。

増えすぎたAIを経営する市場です。

ここでのポイントは、「儲け」はAIの中身より、誰が何を決めて監督するかというガバナンスと、止め方まで含めた運用設計に宿ることです。印刷会社は、まさに“運用で利益を出す”産業です。

  • 作ったAIを売り切るより、運用を持ち続ける方が継続収益になりやすい
  • 現場の標準化(指示書、検査、承認)の知見を、AI運用に移植できる

AI社員台帳をつくる

文星閣で最初にやるなら、AI社員を全員集めます。

ChatGPTのプロジェクト。

Claudeのプロジェクト。

ここで言う「プロジェクト」は、各サービス内で作業や共有をまとめる作業単位です。チームの素材や指示がそこに集まるので、台帳の入口になります。

Difyのアプリ。

自動化ツール。

社内で作った小さなBot。

一つずつ名簿へ載せます。

項目 記録する内容
社員番号 一人ずつ重複しないAI ID
名前 見積受付AI、記事調査AIなど
所属 営業、工場、システム、マーケ
上司 人間の責任者
職務 何をするか
データ 何を読めるか
操作 何を実行できるか
費用 月額・一件当たり
KPI 時間、粗利、品質、受注
有効期限 次回評価・停止日

名前を付けるのは、かわいくするためだけではありません。

責任を明確にするためです。

ここに「現場で詰まる箇所」を先に書いておきます。台帳づくりは、だいたい次の3点で止まります。

  1. “AI”の定義が揺れる
  • 生成AIのチャット利用はAI社員か?
  • Zapierの自動転記はAI社員か?
  • Excelマクロは?

→ 対策は「AIかどうか」ではなく、データへアクセスし、業務を代行し、費用が発生しうるものを対象にすること。

  1. 責任者が空欄になる
  • 個人で作った
  • 便利だから皆使っている

→ 対策は「作った人」ではなく、止める権限を持つ人(上司)を置くこと。

  1. 費用が拾えない
  • クレカ決済
  • 部門費
  • APIの変動費

→ 対策は、まず「月額で確定しているもの」と「変動費で増えるもの」を分け、変動費は“上限”だけ先に決める。

AI社員にも、入社と退職がある

AIは、一度つくったら永久に動かすものではありません。

新しいモデルが出るでしょう。

業務が変わります。

同じ機能が別システムへ統合されていきます。

利用者がいなくなることもあります。

費用が成果を上回りました。

そうなれば、配置転換か退職です。

AI社員の退職時には、

  • 接続を止める
  • APIキーを無効化する。APIキーは外部サービスへ接続するための「鍵」で、残っていると退職後も動き続けます。
  • 保存データを移管する
  • ログを残す
  • 代替手段を決める
  • 利用者へ知らせる

必要があります。

これも、人間の入退社管理とよく似ています。

さらに現場の事故として多いのは、「止めたつもりで止まっていない」です。

  • ワークフローの途中に残ったWebhookが生きていて、データだけ流れ続ける。Webhookは、別システムから自動で呼び出される連携の入口です。
  • 旧AIが参照していた共有フォルダの権限が残り、退職後も読めてしまう
  • “一時対応”で作ったBotが、担当者の異動で誰もメンテできない

印刷で言えば、廃番になった版が棚の奥に残っていて、夜勤で誤って使われるのと似ています。撤去(退職)の手順が標準化されていないと、再発します。

紙は、AIを管理する現場インターフェースになる

AI社員台帳の本体はオンラインで管理します。

しかし、現場で理解してもらうためには、紙も使えます。

AI社員証。

担当業務カード。

入力してよい情報・悪い情報の一覧。

人へ引き継ぐ条件。

非常停止の連絡先。

インシデント記録票。インシデントは、情報漏えいなどの事故や、事故になりかけた出来事の記録です。

研修冊子。

AIガバナンスを、読まれない規程PDFで終わらせず、現場で使える形へ変える。

Printで見える化する。

Experienceで研修・演習する。

Onlineで権限、費用、ログ、更新を管理する。

これは、印刷会社がAI時代に提供できる新しい支援です。

歴史的に見ると、印刷物は「情報の伝達」だけでなく、「行動の標準化」に使われてきました。

  • 作業標準書
  • 点検表
  • ヒヤリハット記録
  • QC工程表。品質管理のために、どの工程で何を確認するかを並べた表です。

AIガバナンスも同じで、紙は“ルール”を現場の道具に変える。

まず48時間で試すなら

大きなAI戦略をつくる前に、社内のAIを棚卸しします。

1日目

全部署へ、利用中のAI・自動化を申告してもらう。

責任者、費用、用途、データ、最終利用日を記録する。

ここは「申告してもらう」だけだと漏れます。漏れの典型は、

  • 個人クレカで払っている
  • 個人のChrome拡張。ブラウザに入れる追加機能で、会社側から見えにくい
  • “一時的に”作ったDifyアプリ

です。

そこで、1日目のやり方を現場向けに具体化します。

  • 各部門15分のミーティング枠を取り、「口頭で読み上げながら」埋める
  • 申告フォームには“例”を入れる(議事録、翻訳、画像生成、転記、問い合わせ返信)
  • 「業務データに触れるものは必ず対象」と明記する

目的は取り締まりではなく、存在を確定することです。

2日目

次の三つへ分類する。

  • 継続
  • 統合
  • 停止

そして、継続するAI一体だけを選び、成果を測ります。

見積着手時間が何分減ったでしょうか。

再作業が何件減ったでしょうか。

受注率が変わったでしょうか。

粗利が増えたでしょうか。

「便利になった気がする」では終わらせない。

ここで反証(うまくいかないパターン)も書いておきます。

  • 反証1:時間が減っても、売上も粗利も増えない

  • 浮いた時間が別業務に吸収されるだけで、受注や単価に繋がらない。

  • 対策は、浮いた時間の“再配分”まで設計する(例:見積の即レス枠を作る、提案数を増やす)。

  • 反証2:品質が落ち、再作業が増える

  • AIが作った文章や入力が微妙にズレていて、後工程で手戻りが増える。

  • 対策は、AIの出力に検査ポイントを作る(印刷でいう検版・検査)。検版は、版やデータに間違いがないかを確認する工程です。“どこで止めるか”を決める。

AI先進企業は、AI社員が多い会社ではない

AIをたくさん導入した会社が、AI先進企業とは限りません。

仕事が明確で、責任者がいて、利益を測れ、必要がなくなれば止められる。

そんなAIを持つ会社が強い。

100体の便利なBotより、毎月50万円の粗利を増やす一体のAI社員。年換算なら600万円です。

その方が、経営としては分かりやすい。

ラスベガスで見つかった400体のAI社員は、AIの未来を否定する話ではありません。

AIを、実験から経営へ進める合図です。


追加:印刷会社向け「商品・商売」仮説(構想)

記事の結論(AIを数え、止め、利益へ接続する)を、商売に翻訳すると3つに分かれます。ここから先はBPJの構想です。

  1. AI社員台帳づくり支援(スポット)
  • 誰に:中堅企業の管理部・情シス(情報システム部門)・現場責任者
  • 何を:台帳テンプレ、棚卸し会議のファシリ、分類(継続/統合/停止)まで
  • リスク:権限・個人情報に触れるので、範囲と取扱いを契約で明確化(顧客名や未公開価格の話はしない)
  1. 現場向けAIガバナンス印刷物(キット)
  • 誰に:工場・営業・制作など“規程PDFが読まれにくい”現場
  • 何を:AI社員証、入力禁止カード、非常停止フロー、研修冊子、インシデント記録票
  • 在庫:改訂が頻繁なので、必要な分だけ都度出力するオンデマンド前提。版管理を徹底し、改訂前の古い版が現場に残る事故を避ける
  1. 継続運用(BPO型)
  • 誰に:AIが増えて管理が追いつかない企業
  • 何を:月次でAI社員台帳を更新、費用と利用ログの整理、評価会議の運用
  • 権利・責任:APIキー、ログ、保存データの所在と権限を明確にし、退職(停止)手順まで含める

追加:文星閣での「一週間の実験」案(研究中)

48時間の棚卸しを“やり切った後”に、1週間で成果測定まで持っていく実験です(研究中)。

  • 実施部署:営業(見積〜受注)+制作(校正・入稿周り)+情シス(権限)
  • 対象AI:継続に分類されたAIから1体だけ選ぶ(議事録、見積下書き、問い合わせ一次回答など)
  • 手順:
  1. 月曜:対象業務の現状工程を1枚に描く(どこで何分、誰が止めるか)
  2. 火曜:AIの入力ルールをカード化(入力OK/NG、赤線例)
  3. 水曜:検査ポイントを決める(どこで人が承認するか)
  4. 木曜:同じ業務を“AIあり/なし”で各3件だけ並走(少数で比較し、事故を先に出す)
  5. 金曜:指標を集計し、継続/統合/停止を再判定
  • 指標(例):
  • 着手までの待ち時間(分)
  • 再作業件数(件)
  • 受注までのリードタイム(着手から完了までの所要時間、営業案件のみ)
  • 現場のヒヤリハット件数(AI起因のもの)
  • 判断基準:
  • 時間短縮だけでなく、再作業が増えるなら停止または検査工程を追加
  • 改善が小さくても、リスクが小さく標準化できるなら継続

#BeyondPrinting #BeyondPrintingJournal #BPJ #印刷 #印刷会社 #AI #AI社員 #AIエージェント #AI投資 #ROI #印刷DX #Dify #Claude #ChatGPT #文星閣

Beyond Printing Journal — 印刷から世界を読む。未来を刷る。

この連載を続けて読む

バックナンバーの全文と、特集記事の保存版図解が読めます。

メンバーになる

← バックナンバー一覧